バス用に展開する「A380」は、自社開発したハイグレードなシートを基本に、プレミアムクラスを対象にした貸切バスや高運賃帯の都市間バスなどに向けたシートです。飛行機のファーストクラスに匹敵する居住性を目指しております。
乗用車用を母体とする「A380」は座面幅530mmのゆったりとした独立シートで、電動リクライニング、電動オットマン、読書灯などを備えております。
主に想定するのは6列(乗客定員18人)もしくは 7列(同 21人)で、さらに定員を抑えればリクライニングとオットマンの併用で夜行バスにも適した、フラットに近い就寝姿勢をとることが可能です。さらにマッサージ機能、座面の通風ファン、背面のヒーターを内蔵していることも大きな特徴です。
これら機能と併せ「A380」は、乗用車用のシートと同様、堅牢なフレームを基本に、座面・背面とも金属のスプリングを主体とする支持構造を採用しており、ヨーロッパのバス用シートに準じた造りとなっております。成型発泡ウレタンにはない、しっかりした座り心地が「A380」の特徴です。また表皮は耐久性、触感に優れた本革のみで航空機のファースクラスのようにシートカバーレスが標準となっておりますが、シート表皮のカラーの変更もご用意しております。
A380の新たなラインナップとして加わった、A380-Fは、より多くのお客様にご乗車していただけるように、レッグレストのみとし、また傾斜角度を50度とすることで、A380ではシートピッチを最小でも1200mm以上必要としていましたが、最小950mmでのシート設置が可能となりました。
それにより、A380では6列(乗客定員18人)もしくは7列(同21人)を想定しているのに対し、A380-Fは8列(同24人)もしくは(同27人)の乗車スペースを確保することが可能です。
シート表皮は飛行機のファーストクラスを思わせるベージュ系の本革。乗用車用シートと同じく堅牢なフレームを持ち、スプリングは座面・背面とも金属製。サイドのホールド感だけでなく、ヘッドレスト(頭部)のホールド感も持ち合わせ、しっかりとした乗り心地が特徴となっております。シートベルトは3点式です。
移動の時間をお寛ぎ頂く為に、全て電動にてシートが可動致します。全てのシートアイテムが、シートコントローラ指先一つで簡単操作。
1 : リクライニング機能(最大角度125°)
2 : レッグレスト機能 上下前後2段階で動作(A380-Fは、1段階のみ傾斜角度50°)
3 : フットレストのみ手動動作(A380-Fは装着しておりません)
4 : マッサージ機能(背当て部、揉み解し機能の2通りのエアー方式を採用)
5 : シートヒーター機能(背当て部に熱線式シートヒーター内蔵)
6 : シートクーラー機能(車室内の空気をシート座面より適量送風)
7 : 読書灯(LED照明をシートバック上部に設置)
8 : 3点式シートベルト(ELR機能は電動式を採用)
9 : シートポジションセット機能(ワンプッシュでお好みのポジションにセット可能)
10 : オールリセット機能(ワンプッシュで初期設定ポジションに復元可能)
A380はフットレスト&レッグレスト一体型で、上下前後2段階のレッグレストは上昇角度80°で設定。さらにフットレスト(手動)まで装着しております。
A380-Fの場合、レッグレストのみの設定で、傾斜角度50°で設定。レッグレストに足を置いても足をホールドするサイドサポートを装備。
寛ぎの時間を演出する為に不可欠な読書灯を装備しております。 読書・書類確認に最適な電球方式をあえて採用。
従来の一般乗合自動車(BUS)シートの場合、シートフレームはパイプ等で構成されており、また座席の形状はウレタンチップで成形する場合が多いかと思います。
弊社の『A380』の場合は、お客様の安全・安心を最優先に考え、シートフレームは耐久性・衝撃に強いプレス材にて形成し衝撃等が発生した場合にも、乗車されたお客様のお体をお守り出来る事を、最優先で設計・開発しております。
当然ながら、新基準で導入された3点式シートベルト固定方法も、シートフレーム&シートヒンジも強化しております。
MAGICAL『A380』は、お乗り頂いたお客様の安全・安心を提供させて頂きます。
新基準導入で、後席3点式シートベルトが導入され、それの伴いシートヒンジ&シートフレームの強化を図る。
フレームの強化だけでなく、弊社の安全への拘りからシート組立時から、ボルトの緩みの有無が一目で分かるマーキング方式にて組立て、品質の向上を図る。
客室フロアーから、10mmのボルトを出して、座席前側は、ボルト4本にて固定方式を採用
A380のシートアタッチメント(リア)は、床から2本のボルト固定方式を採用。
A380-Fはシートアタッチメント取付部を高さ60mmアップし、前席のシート下にゆとりの爪先収納スペースを確保。
スライド機能は、スクリューボルト方式にて、電動スライド致します。
スライド&オットマンは、電機式モーターにて稼動
リクライニング機能も電動モーターにて稼動
3点式シートベルトを全席装着しフレーム&ヒンジの強化
ELR機能も電機式にてどんなシートポジションでも稼動可能
マッサージ機能をコントロールするエアーポンプ。マッサージローラーを使用しておりません。シートヒーター機能も収納。
シート空調システムは、車室内の空気を電動ファンで吸い上げ座面上部へ空気送風する。
オットマンの複雑な動作を、電動モーターにて可能に致しました。
全ての可動部は、プレス材の集合体で構成しております。
MAGICAL『A380』は、乗合自動車にシートの最先端の技術を導入しているようですが、乗合自動車(BUS)の使用期間等を考慮して、モーター関係及びスイッチ類はもとよりプレス等の採用部品は、乗用自動車にて何十年も前から採用されている部品の集合体で形成しております。座席を販売するだけでなく、メンテナンス及びアフターも等も考慮して製造・開発しております。
協定規則 UN16(シートベルト単体の基準)、UN14(シートベルトとシートの取付強度の基準)、UN80(大型車シートの衝撃吸収と強度及び車輌床面との取付強度基準)が採用されて保安基準が改訂、2012年7月に新基準が施工されましたが、マジカル・テクニカでは新基準に対応したシート開発を行っており、開発されたシートは自社で上記新基準対応の試験を実施しております。
また、マジカル3シリーズは乗車されるお客様の安全を確保すべく、3点式シートベルトを標準装備しております。
※試験の写真はA330の「ベルトアンカレッジ試験」